『梨泰院クラス』に日本の男性までハマった理由。僕が実際に観て感じたこと
コロナ禍で家にいる時間が増えて、Netflixでドラマを見ることが一気に増えた時期がありました。その頃、日本でもかなり話題になっていたのが『梨泰院クラス』です。
日本では竹内涼真さん主演の『六本木クラス』もありましたよね。ドラマを見ていなくても、「あの栗みたいな髪型の人のドラマ」と聞けば思い出す人もいるんじゃないでしょうか。リメイク版が放送された2022年の夏には、日本のNetflixランキングでまた1位に戻っていたりして、「やっぱり人気あるんだな」とちょっと驚きました。
僕はもともと韓国ドラマや韓国カルチャーを見るのが好きなので、この作品が日本でここまで広がったのはけっこう印象に残っています。
それまで日本で韓国ドラマというと、どうしても女性ファンが多いイメージがありました。ところが『梨泰院クラス』はちょっと違ったんですよね。僕の周りでも、普段は韓ドラを見ない男性が「これ面白い」と話しているのを何度か聞きました。
日本で「青春版の半沢直樹」なんて言われていたのも、たしかに分かる気がします。権力のある相手に頭を下げさせられた主人公が、「絶対に負けない」と立ち向かっていく。こういう展開って、日本人にはかなり分かりやすいですよね。
でも、実際に最後まで見てみると、僕は「復讐ドラマ」という感じだけでは終わらない作品だなと思いました。

梨泰院という街の雰囲気が、そのままドラマになっている
そして、このドラマを語るならやっぱり梨泰院(イテウォン)の街も外せません。僕もソウルに行ったときに梨泰院を歩いたことがありますが、やっぱり他のエリアとは雰囲気が違います。
米軍基地があったこともあって、昔から外国人が多く、いろんな文化が混ざっている街なんですよね。明洞や江南を歩いたときとは、ちょっと違う感じがします。
ドラマの中で、主人公のパク・セロイ(パク・ソジュン)が刑務所を出たあとに、ハロウィンの梨泰院を初めて歩くシーンがあります。いろんな人がいて、服装も雰囲気もバラバラ。それなのに妙に馴染んで見えるんですよね。セロイが梨泰院に惹かれていくのも、なんとなく分かる気がします。
梨泰院って、ただドラマの背景にある街じゃないんですよね。店や坂道、人の多さまで含めて、このドラマの雰囲気を作っている感じがします。
復讐劇だけど、やり方がかなり今っぽい
このドラマでは、巨大な飲食財閥の会長とセロイがずっとバチバチにやり合います。「土下座して謝れ」「絶対に屈しない」というやり取りを見ていると、たしかに半沢直樹を思い出します。
弱い側だった主人公が仲間を集めて、最後には大きな相手に立ち向かっていく。こういう展開、やっぱり燃えるんですよね。
ただ、僕が『梨泰院クラス』を面白いと思ったのは、昔ながらの復讐ドラマだけでは終わっていないところです。
セロイはめちゃくちゃ頑固で、どちらかというと昔ながらの泥臭いタイプです。でも、周りに集まってくる人たちは全然違うんですよね。
例えば、キム・ダミが演じるイソという女の子。彼女はSNSでもかなり影響力のある女の子で、彼女が店(タンバム)に入ってからの動きがすごい。料理の味だけじゃなくて、内装を変えたり、SNSでどう見せるかを考えて店を立て直していきます。
だから途中からは、「これ、復讐ドラマというより店をどう大きくしていくかの話としても面白いな」と思いながら見ていました。
それと、個人的に好きだったのが女性キャラクターの描かれ方です。イソもそうですし、ライバル会社で働くスア(クォン・ナラ)もそうですが、セロイのためだけに動くキャラクターではないんですよね。それぞれに欲しいものや考えがあって、そこも面白かったです。

「信念」を曲げずに生きるセロイの姿
このドラマを見終わったあと、一番頭に残ったのは「信念」という言葉でした。
大人になると、「まあ今回は仕方ないか」と諦めることも増えますよね。仕事でも人間関係でも、全部自分の思い通りにはいきません。
でもセロイは、高校を退学させられて前科者にされても、絶対に自分の信念を曲げないんです。「土下座一回すれば済む話」と言われても、絶対に膝を折らない。最初は「そこまで頑固にならなくても…」と思うんですが、15年かけて少しずつ前に進んでいく姿を見ていると、いつの間にか「もういいから、セロイ頑張れ」と応援したくなってくるんですよね。
観ていると「自分ももう少し好きなように生きていいんじゃないか」と思えてくるんです。そこが多くの人の心に刺さったのかなと思います。

ちょっと強引な展開も含めて、韓国ドラマらしい面白さ
とはいえ、後半はちょっと急じゃない?と思うところもありました(笑)。時間が急に進んだり、「そこまでやる?」と思うような展開が出てきたりします。
でも、不思議とそこで見るのをやめたくならないんですよね。むしろ「次どうなるの?」となって、そのまま次の話を再生してしまう。この勢いとパワーは、やっぱり韓国ドラマならではだなと感じます。
大人になると、周りの目を気にして「こっちのほうが無難かな」と考えることって増えますよね。そんなときにセロイを見ていると、「もう少し自分の好きなようにやってもいいか」と思えたりします。結局、『梨泰院クラス』って「自分の人生を誰かに決めさせない」という話なんだと思います。
ちょっと暑苦しいくらい真っ直ぐなドラマですが、こういう作品もたまにはいいですよね。まだ見ていない人は、韓国版を一度見てみてほしいです。
こちらの記事もあわせてどうぞ
👉 ソン・イェジン×チ・チャンウクの「スキャンダル」、9月18日にNetflixで配信
👉 『涙の女王』レビュー|なぜここまで人気になった?キム・スヒョン×キム・ジウォン
